財務や人事に関するコンサルタントの仕事で起業しようとしている男性(51)が、事務所の場所選びに悩んでいました。どこで起業するかは大切です。今回は「起業する地域の選び方」をお話しします。
地域を選ぶ前に、事務所の形態を解説します。多いのは自宅の一部屋を事務所代わりにしたり、ビルやマンションの一室を事務所として借りたりする方法。また、最近はレンタルオフィスと呼ばれる共用の事務スペースを利用する人も増えています。
自宅は賃料や通勤時間がない半面、「お客さまを招きづらい」「オンとオフの切り替えが難しい」という面もあります。賃貸事務所は時間を問わず利用できるのがメリット。レンタルオフィスは共用の分、賃貸事務所に比べて賃料を抑えることができます。
以上を踏まえ、事務所を置く地域を選ぶ際に検討すべきポイントは4つです。
(1)ブランディング-ブランド価値がある地域や事業のイメージに合う地域に事務所を置くと、自社のイメージアップ効果が期待できます。例えば、ブライダル関連のサービスの事務所を東京・銀座に置くと、街の華やかなイメージがプラスになりそうです。
(2)自治体の補助金制度-多くの自治体に返済不要の補助金制度があります。候補となる地域にどんな支援制度があるかを調べるには、中小企業基盤整備機構が運営するビジネス支援サイト「J-Net21」がお勧めです。
(3)自治体の融資制度-起業時に活用できる代表的な融資は、日本政策金融公庫の融資か、各都道府県や市区町村の制度融資です。後者は自治体によって金利が異なります。また、創業支援の一環として金利を補助している地域もあります。
(4)創業支援事業計画-市区町村と民間の事業者(地域金融機関、商工会、NPO法人など)が連携し、創業者の支援体制を整えている自治体を国が認定する制度。現在は全国で771市区町村が認定されています。認定市区町村で一定の創業支援を受けた人は、会社設立時の登録免許税の軽減、信用保証枠の拡大などの措置が受けられます。
男性はさまざまな面で利便性の高い地域を選び、レンタルオフィスを借りることにしました。今はいくつかのオフィスを見学しています。