自宅でピアノ教室を開きたいと、ピアノが得意な女性(54)から相談がありました。書道や料理、フラワーアレンジメント、英会話などお稽古事の教室は、賃料の必要がない自宅での開業が人気です。今回は「自宅起業」について説明します。
「自宅起業」は近所の方々が主な顧客になります。チラシをポスティングしたり、ホームページで教室のある地域を明示したりして開業をPRしましょう。しかし、自宅の住所を記載するかどうかは一考が必要です。名簿業者などに登録され、思わぬ営業活動の対象になることもあるからです。対策としては例えば、「東京都中央区銀座7丁目」までを書き、実際に申し込みがあった場合に詳細な住所を伝える方法があります。
次に、教室の開催形式を決めましょう。レッスン時間を決めて1対1で教える個人レッスン、数人をまとめて教えるグループレッスンのほか、一定の時間帯を決めて、この間ならいつ来てもいいというやり方もあります。
レッスン料は、レッスンごとに受け取る場合は教室に釣り銭を用意する、釣り銭の必要がないよう事前に生徒に告知する-などの工夫を。当日キャンセルの場合はどうするのかも決めておきましょう。
一方、月謝の場合は、月謝袋を用意して月々持ってきてもらうか、生徒の銀行口座からの自動引き落としが一般的です。自動引き落としの場合、一定の手数料が掛かりますが、口座の振り替え業務を代行する「収納会社」を利用するのが便利です。収納会社が生徒の銀行口座からレッスン料を引き落とし、まとめて振り込んでくれるサービスで、毎月明細が送付されるため、レッスン料の未納を防ぐことができます。
教室が成功するかどうかは、地理的な条件も影響します。近所で同じ分野で起業している人がいないか、近所を歩いたり、インターネットで確認したり事前の調査が大切です。
女性は月謝袋でレッスン料を受け取る方法で個人レッスンを始めました。集客に自信がつけば、認知症予防や妊娠中の女性のためのレッスンなど、テーマを決めたグループレッスンを始める予定です。