今回ご紹介する起業家は、前職で出版社の編集長をしていた男性です。誰でも気軽に出版できる環境を作りたいと出版業で起業しました。販路開拓の方法についてご紹介します。
まず、1つ目は「顧客にサービスの有効性を伝えること」です。男性は出版業の中でも、出版費用を顧客が払って書籍出版するサービス(自費出版)を始めたいと思っていました。その場合は、自費出版することにより得られるメリットを、顧客に十分に伝える必要があります。
メリットとしては、著者(顧客)が執筆した内容の専門家として認知されたり、社会的な信頼性が向上したりする可能性があります。また、メディアなどの取材や講演依頼につながる可能性もあります。事業を営んでいる顧客なら出版費用を広告費として捉え、本業の売り上げ増加に役立つといった有効性を伝えましょう。
2つ目のアドバイスは「顧客がサービスを利用しやすいようにすること」です。自費出版のサービスに関心を持ってもらった後は、顧客が注文しやすい環境をつくることが重要です。例えば、自分で書くことに自信がない場合は、「取材・執筆・編集・出版」をセットにして販売します。また、費用がいくらかかるか分からないと依頼しづらいので、最初からチラシなどに価格を明記しましょう。また、支払い方法を一括払いだけでなく分割払いも可能にするなど、顧客の立場でサービスを依頼するまでの流れを反芻(はんすう)し、改善しましょう。
3つ目は「セミナーの開催」です。セミナーを開催すれば、自社のサービスを紹介したり、出版の流れについて説明したりできます。また、実際に書籍を出版した顧客に、書籍の活用事例を話してもらい、出版後のイメージを持ってもらうことも有効でしょう。
男性の場合は、書籍に加え、電子書籍をセットにして低価格で販売することにしました。また、「書籍を活用した自社PR法」のセミナーを企画し、その一環として自社のサービスも説明しました。セミナーを開催する度に受講者の中から出版の依頼があるなど好評です。