洋服の製造販売会社に勤めていた男性(50)がいました。多くの人に自分に合った服を着てほしいと、起業して男性向けのオーダー服の製造販売をしたいと考えています。今日は1人で起業して、服を製造販売する場合をお話しします。
■工場を持たない 自社で工場を持たず、他社に製造を委託する会社のことを、ファブレス(fabless)企業といいます。企画開発やデザインは自社で行いますが、製造は他社に任せ、自社ブランドとして販売する方法です。1人で起業して、ファブレスの製造業として活動している人は数多くいます。
■在庫を持たない 製造販売というと、生地を仕入れて、服を製造する前提ですが、起業当初は本当に売れるか自信がない場合も多いでしょう。そのため、販売の仲介だけをするのも一つの方法です。具体的には、アパレルメーカーと購入したい人をマッチングして成約したら仲介料をもらうビジネスです。メーカーの協力を得て、採寸して生地を選ぶとスーツをオーダーできるイベントを開くなど、効率の良い販路開拓を考えましょう。
■他社との差別化 仲介手数料だけでは利幅が少なく、さらにメーカーに依存する経営になりがちです。販売に自信があれば、生地を仕入れてある程度在庫を持った方が、デザインや納期などの自由度が増します。生地の選び方やコーディネートを顧客に提案するなど、他社との差別化を図りましょう。
■新規事業を見つける 服を製造販売するだけでなく、さらに何を提供すれば喜ばれるのか、どんな要望があるかを考えます。顧客のニーズと生活スタイルに合わせたサービスを考えましょう。一人一人の顧客と長くお付き合いできる関係づくりが理想です。
男性は、オーダーメードスーツの製造販売だけでなく、コーディネートやTPOに合わせた着こなし、女性に好まれるマナーや所作などもアドバイス。購入したスーツを身に着けて出席できるパーティーイベントなども自ら企画し、顧客に喜ばれています。