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産経新聞・片桐実央の起業相談

【片桐実央のゆる起業のススメ】発明品を商品化、創業するには

 台所のシンクをきれいにするのに役立つ棚を発明した女性(67)がいました。家事をしていて、以前から自分が欲しかったものを作り、大勢の人に使ってもらいたいと思っています。今日は、発明品を作って起業する方法をお話しします。

 ■知的財産を保護する 「発明」が具体化したら、特許や意匠などの権利を取得できるか検討しましょう。自分で考えるのもいいですが、行政には知的財産センターなど、知的財産について相談する窓口もあるので、活用すると良いでしょう。また、弁理士に依頼すると、特許や意匠を代理申請してもらえます。

 ■製造・販売方法 (1)自分で製造販売する(2)企業に提案し商品を作ってもらう-などの方法があります。(1)の場合は、製造元となる工場を探しましょう。資金面を考慮すると、最初から大量生産はできません。売れなかった場合は在庫として残りますので、小ロットでの製造がお勧めです。小ロットでも安く製造できる工場を見つけましょう。工場の探し方はインターネット検索のほか、製造業が集まる展示会などを見学し、出展企業に話を持ち掛けると良いでしょう。

 また、(2)の場合は、商品の企画書を作成して企業に提案し、採用される必要があります。実際に商品ができたら、契約金や売れ行きに応じた特許料(ロイヤルティー収入)を受け取ります。

 ■発明品の普及活動 発明品を商品化したら、多くの人に広める活動をしていきましょう。その際は、商品のネーミングを考え商標登録し、ブランディングする▽マスコミに取り上げてもらえるように、ニュースリリースを出す▽アイデア商品のコンクールに応募する▽通販サイトに商品を掲載し、商品を見た人がすぐに購入できるようにする▽キッチン用品を販売している量販店のバイヤーに相談する-などの方法があります。行政主催のバイヤーを集めた商談会に参加するのもお勧めです。
 女性は、まずイラストや文章で自分のアイデアをまとめました。そして、ステンレス製品を作る工場をインターネットで探し、製造者と話し合いながら試作品を完成させました。この後、試作品を企業に持参して企画提案する予定です。

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