地域に根ざした飲食店を始めたい女性(46)がいました。創業に向けて、起業の勉強をしたいと思っています。また、1人では不安なので、地元での起業家仲間がほしいと考えていました。今日は「創業スクール」と、ビジネスプランコンテスト「第3回全国創業スクール選手権」をお話ししたいと思います。
日本では現在、「日本再興戦略2016」で、開業率(新規開業した企業の割合)10%を目指すことが決まっています。米国や英国に比べ、日本の開業率が約5%と低いためです。
創業を増やそうと、行政機関や地方自治体が積極的にセミナーやスクールを開いています。特に、中小企業庁の支援事業により、全国各地で「創業スクール」が開講され、起業知識からビジネスプランの策定までを支援しています。今年度は118団体が136コースを実施し、受講生は全国で2049人に上ります。
さらに、同庁は創業スクールの受講生の中からえりすぐりのビジネスプランを選び表彰する「第3回全国創業スクール選手権」を開催。事前審査を経て選ばれた8人のファイナリストが今月17日、都内の会場でプレゼンテーションを行いました。
審査員長は、東京大の産学協創推進本部イノベーション推進部長の各務茂夫教授で、私も審査員を務めています。大賞である経済産業大臣賞は、築120年の京町家を改装し、季節に合わせた日本美術や若手アーティストの作品を館内に展示するゲストハウスを始めるプランが選ばれました。また、中小企業庁長官賞3件も決まりました。
創業スクールやコンテストに参加するメリットは、(1)地域でのネットワーク作り(2)地域の活性化を担う支援機関との関係作り(3)事業計画の改善(4)他の起業家との出会いによりモチベーションがあがる(5)受賞したりファイナリストに選出されると、事業の信頼確保やPRに役立つ-などがあります。
女性は、全国創業スクール選手権で、ファイナリストのプレゼンテーションを聞き、刺激を受けました。起業に向けてのイメージがより具体的になり、来年は自分が舞台に上がれるよう準備したいと思っています。