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産経新聞・片桐実央の起業相談

【片桐実央のゆる起業のススメ】名刺交換をビジネスに生かす

 動物好きが高じて、ペットを同伴できる旅行ツアー会社を立ち上げた男性(54)がいます。ペット関連の展示会に出展し、多くの人と名刺交換できました。今回は、その情報をどのようにビジネスに生かすかをお伝えします。

 名刺交換後は、なるべく早く、お礼の気持ちを伝える必要があります。相手の記憶が鮮明なうちになら、自分の印象をより強く残すことができ、その後の仕事の受注などを受けやすくなるからです。

 伝達方法は電話ではなく、インターネットの電子メールで。相手の時間を拘束せずに済み、控えめなイメージを与えられます。後に電話で営業するとしても、まずはメールでの接触をお勧めします。

 文面ですが、送り先ごとに内容を変え、名刺交換の際に交わした話題などを盛り込み、特別感を出すのが効果的です。しかし、送り先が多い場合は労力を考え、同じ文面の一括送信でもかまいません。その際にも、メール本文のあて先に相手の氏名を記載すると読んでもらえる可能性が高まると思います。一手間加えることで特別感が演出され、よりよい印象を与えられるのです。文書作成ソフトを使えば、複数のあて先に一括送信しても、あて名が入ったメールを送ることできます。

 次にメールを作成する際の注意点ですが、(1)相手が読みやすいように分量を調整する(2)色文字や顔文字は使わない(3)返信しやすいように末尾に自分の署名や連絡先を入れる-などビジネスマナーを意識してもらいたいと思います。

 また、返信がきたら、こちら側もすぐに返信することが大切です。その際、相手が求めている情報を過不足なく伝える必要があります。回答の漏れがあったり、相手が読むのがおっくうに感じるような冗長な内容になったりしないように注意しましょう。

 メールは非常に便利なツールです。ただ、電話の方が気持ちを伝えやすい場合もあります。特に謝罪のときなどは、その典型例かもしれません。メールと電話を状況に応じて上手に使い分ける臨機応変さが大切です。また、個人情報の管理を徹底することは言うまでもありません。

男性がすぐにお礼のメールを送信したところ、複数の人から旅行への問い合わせがあり、ツアー参加に結びつけることに成功しました。

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