有田焼で製作したスマートフォン用の充電スタンドを販売したい女性(61)がいます。試作品作りや広告宣伝費に経費がかかるため、補助金の申請を考える一方、認知度向上を目指しビジネスプランコンテストで受賞したいと思っています。今回は、そうした審査に申請する際のポイントをお伝えします。
審査はまず事業計画書の提出から始まります。その上で書類審査、プレゼンテーション審査と通過していかなければなりません。審査員は一定の基準に基づき審査します。基準は事前に公表されているので申請前に確認し、それをクリアできるように書類やプレゼンの内容を考える必要があります。では、一般的な審査基準を見ていきましょう。
≪実現可能性≫ 事業計画が実現できるかどうかが確認されます。なぜ自分なら実現できるのかを説明し、審査員を納得させなければなりません。例えば、「前職で経験した仕事だから、今回この計画通りに進められる」と伝えると説得力が出ますよね。
≪継続性≫ 事業を始めたら続けなければなりません。例えば、経営者1人で仕事をしている場合は、手伝ってくれるビジネスパートナーがいることを伝えるといいでしょう。また「売り上げが一定額に達したら、人を雇う予定」などと書くのも事業継続に現実味を持たせられます。
≪独自性≫ 他社にはない自社ならではの強みを精いっぱいアピールしてください。「シニア向け」「低価格」「納期が早い」など。差別化を打ち出すことで、顧客に自社を選んでもらいやすくなるアイデアを練ってください。
≪収益性≫ 月ごとに上がる利益の計画表を作りましょう。毎月の売り上げから経費を差し引いても、利益がでることを説明するのです。最初は赤字でも次第に黒字になり、今までの赤字分も取り戻し、最終的には継続的に利益を確保し続けられるという流れを訴えることが大切です。
≪社会性≫ 公益性や社会的な課題の解決につながるとより評価が上がります。例えば、待機児童、高齢社会、ワークライフバランス、介護問題の一助となるなどです。
≪波及効果≫ 商品・サービスが、一部の地域や年代を対象にしたものにとどまるのではなく、そうした壁を越えて将来広がりが期待できる事業計画の方が評価されやすい傾向にあります。
女性は早速、自分の事業内容を整理し、独自性をアピールできるように計画書の作成に取りかかりました。