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産経新聞・片桐実央の起業相談

【片桐実央のゆる起業のススメ】株式会社を設立する

 展示会や商品のPRイベントなどの企画・運営事業を行っている男性(54)がいます。法人を設立せずに営む「個人事業主」ですが、仕事の依頼も多くなってきたので、社会的な信用度を高めるためにも株式会社を設立したいと考えています。今回は、会社を立ち上げる際のポイントをお伝えします。

 設立には、2週間ほどを要します。その間、具体的にどのようなことをしなければならないのか見ていきましょう。

 印鑑 一般的には、法務局に実印登録する「代表印」▽銀行口座を開設するときの「銀行印」▽見積書や請求書、領収書に押印し、角印とも呼ばれる「会社印」-の3本をそろえる方が多いです。

 定款 内部の規則などを定めた定款を作成しなければなりません。定款には、会社名、本店所在地、事業目的、資本金、株主、役員、設立日を記載することになります。これらの項目を決めることが、設立の最も重要なポイントとなります。定款のひな型は、日本公証人連合会のホームページ(http://www.koshonin.gr.jp/index2.html)に記載例があります。
 事業目的 定款への記載項目の中で悩む方が最も多いのは「事業目的」です。「その会社が何をして売り上げを得る予定なのか」を箇条書きで記すことになっています。記載する項目数に制限はありませんが、後から項目を変更すると、法務局への登録の際に追加の税金(3万円)がかかるので、起業後の5年以内にやりそうな事業は入れておいた方がいいでしょう。

 費用 資本金の額により金額は変化しますが、法務局に支払う登録免許税として15万円以上が必要です。また定款は効力を持たせるため、公証人による認証を受けなければならず、公証役場に支払う費用が5万円かかります。これらの手続きを、司法書士や行政書士などの専門家に依頼すれば、設立代行費用を用意しなければなりません。

 届け出 業種によっては、行政への許認可や届け出が求められます。例えば、飲食業、不動産業、古物商、建築業です。その際には、定款の事業目的に記載がないと受理されない場合もあるので気をつけてください。

 男性は定款を作成しました。株式会社を設立する準備は着実に進み、新年早々には新たな門出を迎えます。

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