親子丼を主力メニューにした飲食店を経営している女性(56)がいます。店舗は落ち着いた雰囲気の店構えなのですが、高級店のように思われ入店しにくいのか、一見客が少ないことに悩んでいました。今回は、店の様子を伝えるのに有効なインターネットの活用法を紹介します。
活用するのは、ネット検索大手、米グーグルが提供するサービスです。街角の風景などを360度のパノラマ写真で見られる「ストリートビュー」と呼ばれる機能があります。
ストリートビューでは一般的に、建物の外観などしか撮影されていません。ところが、追加料金を支払えば、屋内の様子を撮影してもらえ、そちらも360度のパノラマ写真にしてネット上に公開することが可能になります。
ネット上で人気の飲食店を紹介する情報サイトなどでは、それぞれの店について「個室配備」など店内の状況が記載されていますが、実際にどのような座席の配置なのか分からないことも多いです。この機能を活用すれば、テーブルの配置など店内の様子が一目瞭然で、集客に役立てることができます。
このサービスの利用には、月々の維持費用は必要ありません。最初だけ、室内を撮影してもらうために料金が発生します。撮影する箇所の数にもよるのですが、3万~5万円程度が相場です。
潜在的な顧客の開拓に寄与する広報宣伝費と考えれば、比較的に安価と考えてよいかと思います。飲食店だけでなく、小売店や病院、学習塾などさまざまな業態で活用可能です。新規に顧客を増やしたいと考えている人に導入を勧めたいサービスです。
実際にストリートビューを作成する場合は、まず登録が必要です。その際、料金は発生しません。登録すると、グーグルの検索結果や地図上に、自身の店舗情報を掲載することができるようになります。店内の様子を公開したい場合は、ネット上でグーグル側に撮影を依頼すると、プロのカメラマンが撮影に来てくれます。そのうえで、グーグルの審査・承認を受けて公開という流れになります。
ストリートビューができあがったら、そのリンクを自社ホームページ(HP)に埋め込んでみましょう。
女性は早速申し込み、ストリートビューを導入しました。自社のHPに掲載したところ、店内の様子を見たうえで予約する客が増えました。