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産経新聞・片桐実央の起業相談

【片桐実央のゆる起業のススメ】「教室」開講の前に 利用規約を定める

 文章を素早く黙読する「速読」の教室を開講したい女性(61)が、受講料の受け取りや受講をやめたいといわれたときの対応に悩んでいます。こうしたことをあらかじめ文書化し、ルールとして定めておくのが「利用規約」。今回はこの利用規約についてお伝えします。

 原則として、お金を払う側はサービスの提供を受ける権利がありますし、お金を受け取る側は、サービスを提供する義務があります。女性の場合は、受講料を払う生徒に、速読の方法を教えるというサービスを提供するわけですね。利用規約というのは、このサービスを利用する際のルールのことです。あらかじめルールを決めておくことで、サービスの提供者と利用者の間のトラブルを防止したり、万一トラブルが起きた際、提供者がどこまで責任を負うかの目安になったりします。

 女性の例をとると、利用規約に盛り込むのは、例えば次のような項目です。(1)入会金・受講料の支払い-入会時に入会金がいるか、受講料は事前にまとめ払いか、月払いかなどを決める(2)受講期間・方法-週に◯度、◯カ月間など、受講方法や期間のほか、レベルごとのクラス分けなど(3)休会・退会-一時的な休会や退会の際、受講料の払い戻しなどについて決める-など、受講に関する具体的な手続きを明示します。

 また、教室を運営するに当たっての禁止事項や免責事項も必ず盛り込みます。禁止事項は例えば、他の生徒への迷惑行為などです。免責事項は、天災が起きた際や、講師の入院など経営上の大きな問題に直面した際には休講とすることや、教室の行き帰りの事故などに責任を負えないことなどを明記します。生徒の個人情報についても、適切に扱うことを書いておいた方がよいでしょう。

 生徒には利用規約を理解してもらった上で、受講申込書には「利用規約に同意の上、申し込みます」という文言を入れ、本人の自署や捺印(なついん)をもらうようにします。文例などは同業の会社や、類似するサービスを行っている教室などのものをインターネットで検索して参考にするとよいでしょう。

 女性は利用規約を定めるため、他社の事例などを調べ始めました。生徒たちが戸惑うことのないよう、分かりやすい規約にするつもりです。

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