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産経新聞・片桐実央の起業相談

【片桐実央のゆる起業のススメ】農産物を使った商品開発 その支援制度にはどういうものがあるか

 わらび餅の原料としてのワラビ生産で起業しようとした男性(58)がいました。わらび餅はもともと、山菜のワラビの地下茎から精製するデンプンを原料としますが、現在はほとんどがくず粉などから作られており、本物のワラビ粉で作るものは希少で高級品。うまくいけば成功の可能性は高そうです。今回は、農産物を使った商品開発の支援制度をご紹介します。

【農商工連携】

 農林水産業者と商工業者が、お互いの強みを生かして新商品・新サービスを開発し、双方の利益増を目指す取り組みで、農林水産省と経済産業省が手がける支援制度です。

 農商工連携の認定事業者には、販路開拓支援のほか、試作品開発や市場調査などに対する補助や融資といった支援策が用意されています。男性のケースでは、わらび餅の製造・販売を手がけてくれる業者を見つけ、共同で事業計画を申請する必要があります。

 相談窓口は全国に10カ所ある中小企業基盤整備機構の地域本部。事業計画作成のための助言や、認定後のフォローアップまで対応してくれます。同機構が運営するビジネス支援サイト「J-Net21」(j-net21.smrj.go.jp)内の「農商工連携パーク」には、認定事例もたくさん掲載されているので、参考になさってください。

 【農商工連携型地域中小企業応援ファンド】

 農商工連携の事業に対する助成金で、返済は不要です。対象となるのは、新商品の開発や販路開拓にかかる経費など。都道府県別の助成制度なので、公募時期や具体的に何を助成してもらえるのかなどは、それぞれに異なります。各都道府県のファンド運営管理者に相談してみましょう。ファンド運営管理者の一覧はJ-Net21内のページ(www.smrj.go.jp/keiei/chikipg/fund/037018.html)で確認できます。

 男性は8人の仲間とともにワラビ生産を始め、わらび餅の製造・販売に協力してくれる製菓会社を見つけました。農商工連携認定の申請に向けて準備を始め、公募開始を待って助成金の申請も行う予定。本格的なわらび餅の製造に向けて少しずつ前に進みたいと話しています。

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