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産経新聞・片桐実央の起業相談

【片桐実央のゆる起業のススメ】新たな顧客を開拓… マネジメントメンター制度

 電機メーカーで長年営業職をしていた男性(66)が、その経験を生かしてコンサルタント会社を始めました。当面は元の会社やその取引先から仕事がもらえそうなのですが、いつまで続くかわからないので、新たな顧客を開拓する必要があります。今回はそんな方のための支援制度をご紹介します。

 コンサルタント会社は競合が激しく、新規顧客の開拓に苦労する方も多いです。そこで活用したいのが、関東地方1都6県と新潟、長野、山梨、静岡の各県を管轄する経済産業省関東経済産業局の「マネジメントメンター制度」。中小企業の経営課題解決に向けて助言を行える人をマネジメントメンターとして登録し、各地域の中小企業との交流の場を設けるものです。男性のような起業家からみれば、公的機関の信用の元で行われる交流会などを通じて、顧客候補となる企業に出合う機会を得られます。

 登録できるのは、長年企業に勤めた後に退職、もしくは退職を予定している人で、(1)中小企業の特性を理解し、ボランティア精神と協調性がある(2)1つの専門分野にほぼ10年程度の経験がある(3)おおむね50歳以上(4)健康上の支障がなく、反社会的な勢力に属さない-人です。

 登録されると、関東経済産業局と各地域の金融機関が共催する交流会に参加できます。交流会には外部の専門家の支援を受けたい中小企業が出席しており、それぞれ「海外の企業と提携したい」「経理部門を強化したい」といった課題を持っています。

 そこで自身の知識や経験、人脈が生かせる課題を持つ企業に面談を申し出ます。面談を重ねて双方の合意が得られれば、企業と直接、業務委託契約を交わします。契約の際の報酬や期間などは、企業との話し合いで決めます。

 登録するには、関東経済産業局のサイト(www.kanto.meti.go.jp/seisaku/chusho/management_mentor.html)から登録申請書などを入手し提出。審査が終わると、マネジメントメンターに登録されます。この制度の良いところは顧客開拓だけではなく、相手企業のニーズを理解し、自分の得意分野を適切に売り込むトレーニングにもなることです。

 男性はマネジメントメンターに登録し、交流会に積極的に参加しています。

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