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産経新聞・片桐実央の起業相談

【片桐実央のゆる起業のススメ】どんな企業に営業に行けばよいか? 販路開拓のための支援制度

 オフィス向けプリンターを有料で貸し出す事業を始めた男性(57)からご相談がありました。起業したばかりでどんな企業に営業に行けばよいか迷っているほか、顧客が求めるサービスが提供できているか、価格に見合っているかどうかも自信がないとのこと。今回は販路拡大のための支援制度をご紹介します。

 販路拡大のための支援制度として、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)の「販路開拓コーディネート事業」があります。同事業は新商品(新技術、新サービス含む)を持つ中小企業の販路開拓を支援する制度。市場のニーズを把握するためのマーケティング方法を伝授し、販路開拓のノウハウを身に付けることを目的としたもので、販売先や取引先の紹介や斡旋(あっせん)ではありません。

 流れとしては、まず全国にある同機構の相談窓口に申し込みます。専門家らで作る支援チームとともにターゲットや販路開拓のための方法を検討し、自社の新製品のテストマーケティング企画を練ります。その後、商社やメーカーなどの出身者らによる販路開拓コーディネーター(販路CO)たちの前で、企画をプレゼンします。

 販路COはそれを受けて、依頼主のテストマーケティングに適した複数の企業にアポイントを取り、訪問に同行します。販路COは訪問先の企業で依頼主の新製品を試してもらったり、ニーズ把握のためのヒアリングを実施したりしてサポートします。

 専門家のサポートを受けてテストマーケティングを行うことで、市場のニーズを的確に把握したり、方向性を変更したりして事業を軌道に乗せやすくなります。

 専門家への相談は無料、販路COの同行訪問は1回当たり4100円(税込み)です。例えば、販路COと一緒に3社に3回ずつ合計9回、企業訪問した場合は3万6900円になります。事業の詳細は同機構ホームページ(www.smrj.go.jp/venture/consult/hannrokaitaku/)か、同機構経営支援部((電)03・5470・1564)に問い合わせてみてください。

 男性はさっそく申し込み、販路COとともに企業を訪問。顧客のニーズを聞くことができました。本格的な営業展開の前に、サービスを改良することができたとのことです。

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