今回は心理カウンセラーとしてカウンセリングを行う、田村メンタルヘルスケア(さいたま市)の田村剛彦さん(44)を紹介します。
田村さんは大学卒業後、製薬や建設などの会社の営業職として20年間勤めていましたが、精神的な疲労が重なり、抑うつ状態になってしまいました。
その時にご自身が心理カウンセリングを受けて回復できた経験から、2008年に心理カウンセラーの資格を取得。16年に田村メンタルヘルスケアを開業しました。自身が世話になったカウンセリングで世の中に貢献したいと思ったのが事業を立ち上げたきっかけです。
田村さんは、子育てに悩む親御さんや、不登校・引きこもりなどに悩む小学生から20代のお子さんのカウンセリン グをメインに行っています。
自身の拠点であるさいたま市でのカウンセリングだけではなく、埼玉、東京、神奈川への出張カウンセリングも多いです。話を聴くだけではなく、その方の悩みの根本を解決することが田村さんの信念です。
また食事・睡眠・運動・家庭環境などその方の生活全体を把握して悩みの原因を探り、その方に合ったカウンセリングも行います。
田村さんは当初からこうしたかたちのサービスを提供していたわけではありません。起業前から友人などにボランティアで無料カウンセリングを行うなどして経験を積みました。起業してからも経営面などで試行錯誤を重ね、2、3年を経てようやく今の「型」ができたと話していました。
田村さんのように、お客様の反応や要望を捉え、柔軟にサービスを変えていくことは大切なことです。
経営面では、知人などに分からないことを聞いたり、セミナーに積極的に参加しました。特に集客力を上げるため のマーケティングの勉強には時間をかけたようです。今は勉強会やセミナーで知った方や、以前カウンセリングを行った方の口コミで来る場合も多いようです。
1人の人と徹底的に向き合うのはとても大変なお仕事ですが、悩んでいる人の表情に笑顔が増えたり、子どもが元気に学校や社会に出られるようになったりと、結果がはっきりと表れるのでとてもやりがいを感じると田村さんは話しています。
直接感謝の言葉をいただくことも多いといい、そんな時にこの仕事をして良かったと心から思えるそうです。
今後についてうかがうと、親御さんやお子さんのカウンセリングだけではなく、成人のカウンセリングも今以上に行っていきたいとのことです。
日本では、カウンセリングは病気になってしまった方が受けるというイメージがまだまだありますが、欧米ではも っと気軽に多くの方が受けています。
セミナーや講演会などを積極的に開いて、メンタルヘルスの大切さを世の中に広めています。気軽にカウンセリングを受けられる環境を作りたいと語っていました。
田村さん自身が同じ悩みを経験しているからこそ、カウンセリングを受ける方も安心するのだと感じました。
(銀座セカンドライフ社長 片桐実央)