今回は不動産に関するコン サルタント業で起業した和田 博雄さん(43)をご紹介しま す。2018年10月に設立した株式会社第3コンサルティング管理(横浜市)では、賃貸経営だけではなく不動産活用や相続アドバイスなど、不動産に関することをトータルでサポートしています。不動産に関する悩みは多岐にわたるため、全てに対応できるのが強みだと言います。
和田さんは長年不動産業界で勤めていましたが、経験を積む中で不動産経営に関しては誰にも負けないという自信がつき、自分一人で挑戦してみたいと思い独立されたそうです。
起業してみて良かったと思うことは、上司に気を使わずに、自分のやりたい方向性を守れること。また、大手では難しい顧客ごとへの細やかな対応ができることだといいます。たまに、こんなことも相談していいですか?と、専門外のことも相談されることもあるそうですが、それもまたうれしいと感じるようです。
仕事で意識していることは、いかに長く続けられるかということ。無理をしすぎずに休む時は休む、仕事の進め方もガチガチに固めずに柔軟に変えてみる。お客様に対して継続的にサービスを提供することが大事だというお考えです。この点に和田さんのお人柄が表れていると思います。
起業して苦労されたことを伺うと、最初はお金が全然なくて、起業して1年ぐらいはずっと不安だったそうです。削りやすかったのは食費で、とにかく節約していたと言います。
和田さんが勤めていたのは副業が認められていない会社でしたが、副業が可能な会社に勤めている方は、経済的な面からも副業で新しいことをはじめるのも良いのではとおっしゃっていました。
和田さんは将来が不安になる中で、事業計画書を作成することが必要だと思い、弊社の事業計画書の作成支援セミナーを受講して事業計画書を作成しました。計画は考えていたようですが、紙に落とし込むことで頭の中が整理され、不安は少なくなったと言います。
勤めていた会社と同じ業界で起業する方の中には、仕事の内容を把握しているため事業計画書を作成しないで起業する方も多いですが、弊社では作成することをおすすめしています。「誰に何をどのように売るのか」という点について自分の考えが整理できるだけではなく、人に自分の事業を説明する資料にもなりますし、融資や補助金などの資金調達をする際には必須の書類となるため、早めに作成していて損はありません。
和田さんは、起業して3年目ぐらいから仕事が安定してきたようで、今後は不動産で困っている方にサービスをより多く提供するために、人をたくさん雇用していく予定だということです。「人を雇うのは大変だと知り合いの社長さんからよく聞くけど、最近では自分が食べられないという心配がなくなり、緊張感がなくなってしまったので、また自分にプレッシャーをかけないと」と笑っておっしゃっていました。そんな和田さんのポジティブさがすごく素敵(すてき)だなと思いました。
最後に、これから起業を考えている方にメッセージを伺うと、もし迷っているならば、考えすぎずに飛び込んでみることが事とのこと。起業することで勤めていた時より仕事に対して前向きになれるし、仕事に真剣に向き合えるようになったので、和田さん自身は起業して良かったと思っているそうです。
(銀座セカンドライフ社長 片桐実央)