まもなく定年を迎えるので起業の準備をしたい。しかし定年まで何もしないで待つのではなく、会社に勤めている間にも会社をつくり、事業をスタートしておきたいと考える方も多いようです。
ただし会社によっては、それは禁止されている副業と見なされるかもしれません。就業規則で認められていたとしても、まわりに知られると何かとやりにくいということも現実にはあるでしょう。
そういう場合には、奥さまを代表にして定年前に会社を設立するというのも1つの方法だと以前申し上げました。さらに、奥さまの協力を積極的に得られるのであれば、奥さまならではのスキルを事業に生かし、自分はサポートに回るという起業の仕方もありかもしれません。
特別な技術や資格がなくても、たとえば「家事のスキル」そのものを事業に組み入れるのです。たとえば、1つ目は他人の家事を代行するサービス、通称「家事代行」です。相場は週1回2時間で、月額2万~3万円。交通費などを考えてサービスの提供エリアを決定します。
2つ目は家事に関するセミナー開催や個人レッスンをして、家事のハウツーを教える事業です。例えば結婚直前の方を対象にしたセミナーなど面白いかもしれません。
3つ目は家事専門の資格認定制度をつくるという方法です。一般社団法人を設立して、「○○協会」として会費や講座の授業料、テキスト教材費の他、認定料や更新料などを受け取ります。
定年起業には奥さまの理解・協力が必要ですが、一歩踏み込んで、定年後、2人で「ゆるく」事業を行い、共に社会参加を続けていくというのも、すてきな定年後の過ごし方ではないでしょうか。 (取材・構成:藤木俊明)