渡辺謙さん(62)は大学卒業後、繊維卸売会社で営業を経験した後、大手事務消耗品会社に転職しました。営業部門からスタートし、管理職、取締役と順調にキャリアを重ねて、59歳の時に再就職の活動を行うか起業するかの選択に迷ったそうです。その時期に、弊社と夕刊フジ共催のセミナーに来ていただき、『自分のプロフィルの棚卸し』をしてみてびっくりしたそうです。
「それなりの企業で長年やってきたつもりだったけど、自分には何も売り物がないんじゃないかと気づかされました」(渡辺さん)
それから自分の強みをじっくり見直してみると、やはり営業であり、培ってきたネットワークであることを確認し、企業の販路開拓支援を行う事業をやっていきたいと決意したとのことです。渡辺さんは1年間の常勤顧問としての期間を経て、昨年7月にビジネスバリューサポートの屋号で個人事業を開始します。
中小企業の販路開拓コーディネーターの資格を取得、現在数社とのコンサルタント契約を結ぶなど活躍しています。
「起業という言葉に、かまえていた部分があったのですが『ゆる起業』という言葉を聞いて、何だ、自分のペースでやればいいのかと踏ん切りがつきました」
自分でやってみて、なかなかうまくいかないと思うこともあるそうですが充実しているそうです。
「いつも誰かにマネジメントされてきたのですが、これからは自分のマネジメントを自分でできるのですからね」
渡辺さんは会社員生活で得た営業スキルを、さまざまな中小企業に提供していきたいと笑顔で述べています。 (取材・構成:藤木俊明)