起業したら、最初はしっかりした相手と取引実績を作り、自社の信用度を高めたいものですね。そんな方におすすめしたいのが官公庁と取引実績を作ることです。国、公庫、公団および地方公共団体などが、物品を買い入れたり、工事を発注したりすることを「官公需」といいます。取引実績ができれば信用度は上がるでしょう。
「設立したばかりの小さな会社が官公庁との取引なんてムリだよ」と思うかもしれません。いえ、そんなことはなく、ちゃんと門戸は開かれています。官公庁の仕事はしょっちゅう公募されているのですが、みなさんが知らないだけです。
まず、「官公需情報ポータルサイト(http://www.kkj.go.jp/s/)」があります。これは国・独立行政法人、地方公共団体などがホームページ上に掲載している入札情報を検索するサイトです。
また、この8月、「ここから調達サイト(https://u10sme.smrj.go.jp/)」というサイトが中小企業庁および独立行政法人中小企業基盤整備機構によって開設されました。このサイトに登録できるのは創業10年未満の中小企業・小規模事業者だけです。大企業やみなし大企業は登録できません。
まさに、これから創業しようとする定年起業の方に向いています。条件を満たした中小企業・小規模事業者が、官公需向けの物品・サービスの情報などをここに登録すると、各府省や地方公共団体などが情報共有して、調達に活用するとのことです。
これから、小さく起業しようと考えるみなさんは、官公需の獲得を見据えて、ここに登録しておくといいのではないでしょうか。 (取材・構成:藤木俊明)