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夕刊フジ・定年起業への挑戦

商標登録に無知、トラブルに発展も 「特許事務所」活用

起業した人はまず、商品名やサービス名を考え、それをホームページやパンフレットなどにうたい、宣伝します。その商品がヒットし、商売が軌道に乗り始めたと思った矢先、「ちょっと待った。その商品名はうちが商標登録しているんですよ」と訴訟を起こされることもあります。

「商標登録」の重要性は多くの人が知っていますが、現実に自分が起業してサービスを展開するときには頭から抜けてしまうことも少なくありません。そして、成功したときに限ってトラブルが起きるのです。

シニア起業をサポートする「銀座セカンドライフ」(http://ginzasecondlife.co.jp/、(電)03・3545・1765)の会員、金子宏さん(56)は、大手企業の研究職として働いており、その仕事の中で特許や商標など知財の知識を身につけていきました。

その後、ベンチャー企業の役員に身を転じたとき、特許事務所とやり取りをする機会がありました。

「特許事務所は誠実に対応してくださいましたが、こちらの考えを十分に伝えられないことが多くありました。そこで、中小企業やベンチャー企業の立場や考えを理解して行動する特許事務所を運営したいと考えました」(金子さん)

金子さんは努力して弁理士の資格を取得し、「東京金子特許事務所」を開設しました。いまでは、銀座セカンドライフの会員として片桐実央代表の起業アドバイスを受けつつ、逆に片桐さんや銀座セカンドライフ会員の商標登録の相談などにも対応しています。

「金子先生は、とてもフットワークが軽い方です。弊社がお客さまを紹介すると、すぐに連絡を取り、早ければその日のうちにお客さまと面会します。ビジネスにおいて、迅速な対応は大切です」(片桐さん)

金子さんに相談すれば、さまざまな角度から商標登録のためのアドバイスがもらえます。そして、実際の出願までもサポートしてもらえます。

片桐さんは現在、「輝創塾」というセカンドライフ起業塾も運営していますが、最初は「創輝塾」という名前で立ち上げようと思っていました。ホームページなども準備したのですが、金子さんのチェックで、似た名前の別のサービスに抵触する可能性が高いことが判明しました。そこで「輝創塾」の名前で商標登録を行ったそうです。当初の案で進めていたら、何らかの損害が出ていた可能性もあった、と片桐さんは言います。商標登録は、誰にとっても身近な問題なのです。

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