わたしが、シニア起業を考える方にお伝えすることのひとつが「ブランディング」です。ブランディングとは、ご自分の事業、あるいはご自身の価値をお客さまに伝えること。これがとても大切です。
そのブランディングに大きな効果を発揮するもののひとつが書籍です。ただ、自分で出版社と交渉して出版にこぎ着けるのは大変ですし、自費出版にも大きな費用がかかります。
今回ご紹介する武津(ふかつ)文雄さん(65)は、シニアの方が気軽に本を書いて出版できる環境をつくりたいと昨年3月、「グッドタイム出版」を立ち上げ、当社(銀座セカンドライフ)に事務所を構えられました。
武津さんのビジネスの核は「オンデマンド出版」という新しいサービスです。
「オンデマンド出版とは、自前の原稿データを提供するだけで、注文に応じて1冊からの印刷・製本・出版が可能なサービスです。その特長は何と言ってもコストが安いことです。通常の自費出版の10分の1以下で自著の製作ができてしまいます」(武津さん)
原稿データといっても、パソコンソフトのワードで書いた文章で十分だそうです。しかも、場合によっては手書きの文章をスキャンして製作することも可能ということです。武津さんは長く編集者をやってこられたので、文章校正などのアドバイスもしてもらえます。
「このオンデマンド出版はAmazonと連動して行いますので、そのまま電子書籍化して販売することも可能です。また、ご希望に応じて、一般書店での流通も手配することが可能です」(武津さん)
武津さんは、親しい会社に営業機能をまかせ、グッドタイム出版は書籍の製作だけに全力を傾けるようにしています。営業担当を雇用するより、そういったコラボで事業展開することも大切ですね。
また武津さんは、SNSを活用して仲間作りを進めています。
「本で何かを世の中に残したい、そういう思いがあれば仲間ができていくと思います。ぜひ、人脈作りにSNSをお勧めします」と武津さんは話しています。(取材・構成 藤木俊明)