10月23日に夕刊フジと銀座セカンドライフの主催で「定年起業セミナー」を開催しました。事前に満席になり、読者の皆さんの起業に対する関心の高さをあらためて知りました。当日参加された方にお礼を申し上げます。定員で申し込みできなかった方にはぜひ、次の機会にお目にかかれたらと思います。
セミナーには、来賓として経済産業省、日本政策金融公庫からも挨拶をいただきました。その中で強調されていたのが、「創業補助金」の利用です。創業補助金は、シニアの創業にかかった経費を補助してくれるものです。補助金ですから、返さなくてもよいのが特徴です。
もちろん、審査や条件はありますが、たとえ申請が通らなくても、あるいは結局申し込まなくても、起業に関する自分の考えをまとめるいいトレーニングになりますので、ぜひトライしてみてください。
セミナー当日は、銀座セカンドライフの会員で、実際に起業された方々の体験談も披露しました。以前、この紙面で紹介した株式会社イーズ・グループの古舘博義さんは、中小企業のイノベーションをサポートする喜びと、息子さんと一緒に仕事の話ができる楽しさなどをじっくりと語られました。息子さんとの起業のくだりでは、「うん、うん」とうなずいている参加者もいました。その後の交流会では、あちこちで名刺交換が行われ、登壇者と聴講者の間で非常に熱気にあふれた会話が交わされていました。
このセミナーで話した内容について、すべてをここで述べることはできませんが、よく相談を受ける「どんな分野で起業したらいいのか?」ということについて、ひとつの方法をお話しします。それは「3つの円」です。
まず、1つめの円を紙に描いてください。そこには「自分の好きなこと、やりがいを感じること」を書き入れます。次に、もうひとつ円を描いて「自分の強み、得意なこと」を書いてみてください。さらに、もうひとつ円を描き、そこに、自分で考えた「お金になること」を書きます。最後がなかなか難しいですね。
こうして書いた3つの円が重なるところ、それが、あなたが起業を考えるための大きなヒントになるはずです。ぜひ試してください。 (取材・構成 藤木俊明)