2020年はコロナで明け暮れた。年も改まり、定年起業に挑戦する人はどのような心構えで動けばよいのか。シニア起業専門の銀座セカンドライフ代表取締役片桐実央さんに、21年の展望を伺った。
まず、コロナ禍以降シニア起業をめざす人の動きはどうなのだろうか。
「一括りにはできませんが、『急いで起業する必要はない。慌てずじっくり考える時間だ』と捉える方が多いです」(片桐さん)
コロナ禍以降、各企業の環境は大きく変化した。21年のシニア起業はどうなっていくのだろうか。業務にITスキルが求められるという声も多く不安だ。「それは一部の業界のことで、シニアが不利になると考えるのも極端です。シニアの特徴の1つであるこれまで培った豊富な経験や知識を売りにするシニアの方は、今までは人と会わないといけなかったのですが、ZOOM等のオンラインツールが普及してきたことで、現地に行かずに、オンライン上で面談や商談ができるようになったので訪問しなくてよくなり、かえって楽になったという声も聞きます」
片桐さんは、若い世代と同じように、オンラインツール、オンラインコンテンツを有効に活用して、起業するシニア世代が増えるのではないかと予測する。そして、これから早期退職や定年を控え、起業を検討しているサラリーマンに向け、起業する分野や事業によって事業の成功要因は違うが、人と会わないとできない仕事か、オンラインでもできる仕事かを見極めてほしいと呼びかける。「人生百年時代、『自分の身の丈にあった、無理のない投資で、長く続けられる仕事』を見つけてください」(取材・構成 藤木俊明)