定年後の起業においては、固定費をできる限り抑えたい。その固定費の多くを占めるのが事務所家賃とその運営費だ。本連載でも、新たに事務所を借りるよりコストが抑えられる、レンタルオフィス活用を紹介してきた。
しかしウィズコロナ時代において、出社する場所じたい不要ではないかと考える人もいるだろう。そんな人には、レンタルオフィスよりさらにコストが低いバーチャルオフィスを紹介したい。
一般的にバーチャルオフィスは事務所住所として利用可能で、法人としての本店登記できる住所を提供するサービスだ。
バーチャルオフィスのサービスを実際に提供している銀座セカンドライフ株式会社に話を聞くと、同社のバーチャルオフィスプランは月額3800円(税別)で、初期費用は不要とのことだ。
前述の本店登記や事務所住所としての利用はもちろん、郵便物や宅配物の受け取りも代行してくれる。取引先が住所を頼りに訪れてきたような場合も、常駐スタッフが対応してくれるという。オプションとして、郵便物の転送、電話の転送も可能だ。
自宅を法人の本店として登記すればいいのではないかと思う人もいるだろう。もちろんそれでも問題ないが、そうすると自宅住所が公開情報になってしまう。法人にはすべて法人番号が振り当てられ、本店住所は国税庁のホームページで世界中に公開される。
信用力を高めるために、会社の住所はそれなりの場所にしたいと考える人にもバーチャルオフィスは向いている。仕事場は自宅としても、法人としての拠点は都心のバーチャルオフィスに置くのが1つの方法だ。売り上げが安定したら、次のステップに進みたい。(取材・構成 藤木俊明)