65歳を超えた定年起業家や定年後に副業をかけもちしている方から、「月々、年金にあと10万円のプラス収入があれば、ゆとりができる」という声を聞く。
この8月、PGF生命より「2020年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」が報道発表された。今年還暦を迎える1960年生まれの男女を対象にしたものだが、『これからの人生で、ひと月あたりに必要だと思う金額』の内容に注目した。
『生活費として最低限必要な金額』という設問では、回答者の平均額は月に199,710円ということだ。しかし、『ゆとりのある生活を送るために必要な金額』という問いでは、「30~34万円台」(27・9%)に最も多くの回答が集まり、平均額として月に28万8399円が必要ということだ。約29万円という金額は、年金で月20万円の収入を受け取ったとすると、「プラスあと10万円」という声とほぼ一致する。
定年を迎え、65歳以上の生活で「あと10万円」を実現するには、継続雇用、再就職、投資、アルバイトや副業そして起業などが考えられる。
定年起業に挑戦をしようという場合、事業計画を立てるときには、年金収入があることを前提に、プラス月10万円の給与を得られるように組み立てるという姿勢でいいのかもしれない。
また起業まで至らなくとも、副業的な仕事を組み合わせて、合計月10万円に達するように組み立てる。たとえば、駐車場シェアなど手離れのよい副業で固定的な収入を得ながら、別のアルバイトで月数万円稼いでいくという方法もある。
少なくとも年金収入だけでは厳しいということは確かだ。 (取材・構成 藤木俊明)