鳥塚ルミ子さん(47)は、ハンドコミュニケア事業(資格制度、研修、人材サービス)を手掛ける株式会社コミナス(埼玉県東松山市)の代表取締役として活躍している。
同社は、埼玉県東松山市と埼玉りそな銀行、PE&HRが設立した日本初の地域ファンド「起業家サポートファンド」の出資第1号企業だ。
ハンドコミュニケアとは、手のひらや手の甲、指などを刺激するリフレクソロジーの一種で、手に触れることで相手に安心感を与え、ストレス解消や認知症ケアなどに役立つとされるメソッドだ。
鳥塚さんは、自らが設立した一般社団法人国際オーガニックセラピー協会でハンドコミュニケア療法士の認定と同資格取得のための講座事業を行っていたが、介護職など福祉関連での需要が高く、伸びる要素が大きいとファンドの出資を得て同事業を別法人化した。
ファンドへのプレゼンは緊張したが、「この事業で社会に貢献することが自分の使命だ」と向かい、無事採択されたと笑う。
「起業は『好きなこと』を中心にすればいいと思います。好きなことをしていると無理なくがんばれるし、コミュニティーが見つかります。そうするとなぜか応援してくれる人が現れて、そこで化学反応が起きたりするんですよね」(鳥塚さん)
順調に事業を運営してきたが、コロナ禍が襲ってきて、教室でのハンドコミュニケアの講義が困難になる。そこで、オンライン講義に切り替えたところ、受講生から「細かい部分がよく見える」とかえって好評を得ているとのことだ。
鳥塚さんはSNSなどで動画を配信するなど、オンラインを活用してウィズ・コロナ時代を乗り切っていくと決意を示した。(取材・構成 藤木俊明)