この1月、埼玉県大宮ソニックシティ市民ホールで開催された「シニア起業事例発表会」には定員を超える多くの申し込みがあったという。埼玉県ではどのように起業・創業を後押ししているのか、埼玉県産業振興公社(以下、公社)を訪れて話を聞いた。
埼玉県は2004年に全国に先駆け「創業・ベンチャー支援センター埼玉」を開設し、これまで約3200件の創業を支援してきた実績があるという。「埼玉は東京というビッグマーケットがすぐそばにある上、都内より家賃などが安く、交通至便なので起業しやすいことも後押ししているのかもしれません。創業のことなら何でも相談に乗ります。気軽にお問い合わせください」(創業支援グループ倉崎哲雄さん)。公社の窓口相談やセミナーを4回受ければ、法人設立時の登録免許税の優遇などを受けられる場合もある。
また、公社では会社の跡継ぎがいなくて困っている中小企業の相談にも乗っており、埼玉県事業引継ぎ支援センターと連携している。M&Aに興味のあるビジネスパーソンは同センターに相談してほしいということだ。(企業支援グループ塚田隆史さん)
そして埼玉県には起業の補助金として起業支援金があり、公社が事務局となっている。秩父市、飯能市、本庄市、ときがわ町、横瀬町、皆野町、小鹿野町、東秩父村、神川町の9市町村のどこかで、対象地域の課題解決を目的とした起業者に対して、最大200万円(補助率50%)が補助される。社会的起業を志す人は「埼玉県 起業支援金」でネット検索すればいいだろう。
さらに移住支援金もある。東京23区などから上記9市町村に移住し、起業もしくは地元の中小企業などに就業した人には移住支援金100万円(単身者は60万円)が支給される。これについては「埼玉県 移住支援金」で検索してほしい。(取材・構成 藤木俊明)