会社勤めのかたわら、週末は近所の貸し農園で農業を楽しみたいと考える人も多いだろう。しかし手頃な貸し農園は意外と見つからないものだ。そこで紹介したいのが、この7月スタートした『シェアグリ』というサービスだ。これは、「手伝ってほしい農家」と「農業に関わりたい人」を結びつけるもの。サービスを開発した株式会社シェアグリの代表取締役、井出飛悠人(ひゆと)さん(22)にお話を聞いた。井出さんは長野県佐久市の老舗種苗会社に生まれる。玉川大学在学中に本サービスの事業化を思い立ちガイアックス主催のビジネスコンテストで発表、出資を受けて起業した。
農家はどこも深刻な人手不足に悩んでいる。しかし一方、前述のように「農」に興味を持つ人も増えている。その両者をマッチングするのがこの事業だ。
「今まで農業の担い手募集では通年雇用が当たり前でした。しかし農家がほんとに人手に困るのは繁忙期なのです。通年雇用ではコストがかかりすぎで、繁忙期に手伝ってくれる人が欲しいのです」(井出さん)
「農」に興味がある人はシェアグリのアプリで自分に向いている農作業を選び、農家に連絡する。お互い合意すれば成立だ。もちろんボランティアではなく、農家から謝礼が支払われる。半日だけ手伝うなどという案件もあり、ちょっとした副業だ。現在首都圏近郊の農家も登録している。
シニア世代にはきつくないのかと聞くと、それは仕事内容を見て選べばいいし、初心者でもできる仕事はあるのでハードルは高くないと井出さんは言う。「農」に興味があり、若干の収入も得たい人は、このアプリで調べてもいいかもしれない。(取材 構成 藤木俊明)