本連載で取り上げてきた新現役交流会(以下交流会)。おおむね50歳以上の大企業勤務経験者らとその知見を求める中小企業とのマッチングの場だ。交流会に参加するには関東経済産業局にマネジメントメンターとして登録が必要。審査はあるが、大企業に長く勤めた人であればハードルは高くない。
しかし、中小企業の事業に貢献しようと交流会に参加したのに、なかなか企業とマッチングされないということもある。
今年8月6日、関東経済産業局は東京・京橋の信用金庫京橋別館で「新現役交流会マッチング向上セミナー」を開催。マネジメントメンターに向けて、交流会で中小企業とマッチングされやすくするための秘訣(ひけつ)を紹介した。
会場を埋めたマネジメントメンターに向け、まず交流会の開催にあたり、金融機関をサポートしている新現役アドバイザー武藤弘道さんが、マッチングされる人の傾向について話した。
交流会には面談する企業を意識した1枚程度のプレゼンペーパーを準備するとよいと言う。また、交流会での面談では時間の使い方が大切と続ける。
「最初の5分間は社長の話を聞き、次の10分程度は自分から支援方法を説明します。それからの10分は質疑応答・意見交換に」(武藤さん)
売り込むのではなく、まず相手の話をよく聞くということだ。続いてマネジメントメンターとして活躍中の伊藤晴敏さんが出席希望登録票の書き方、面談時のポイントなどを参加者に話した。
やはり、「相手の話を聞く姿勢」がポイントだ。本セミナーの話は、交流会のみならず定年後に新しい仕事を探すときには必要なポイントだろう。熱心にメモを取る参加者の姿が多く見られた。(取材 構成 藤木俊明)