「現地の人たちには本当にお世話になりました。今度は若い世代の人をお迎えし、日本の文化を伝えたいと思いまして」(瀧澤さん)
単なる収益目的ではなく、異文化交流を楽しみたいという気持ちが大きかったという。瀧澤さんの物件に泊まる人は、ほとんどが欧米人だが、たまに海外駐在の日本人や国際結婚した人が子連れで里帰りして家族での滞在に利用することもあるらしい。「ホテルだとツインとかダブルが多いですよね。家族連れで過ごせるこういう場所を探す人も多いようです」
約50平方メートルの部屋に、風呂、キッチンはもちろんドラム式洗濯機や炊飯器、食器などがそろっていて、家族でしばらく滞在することが十分に可能そうだ(まだまだ日本には少ないコンドミニアム・スタイル)。
そもそも、この場所は賃貸に出していたが、息子さんの意見で民泊に切り替えたという。「この近くで息子もエアビーアンドビーをやっていたときは私が面倒をみていました」。親子間のコミュニケーションに役立ったかもと瀧澤さんは笑う。
瀧澤さんの物件は駅近の恵まれたロケーションだが、ロケーションがすべてではないという。駅から遠くても人気の物件はある。「川の土手をジョギングするのが気持ちいい」「ホストとの食事が楽しい」などの強みを考えるといいと話す。
空き部屋を生かして異文化交流を楽しみ、さらに収入も得たい定年世代は民泊を検討してみよう。(取材・構成 藤木俊明)