定年後、何か始めようというとき、どんな情報ツールが必要なのかが夕刊フジ定年起業応援サロンで話題となった。「スマートフォンだけで情報収集も情報発信もかなりできる」という意見もあったが、問題は書類作成だ。その時にはパソコンを利用するしかない。プリントアウトはコンビニを利用するか、安いモノクロのレーザープリンターでよいのではという話も出た。
昔は起業するときには事務所を構え、電話を引いて複合機をそろえるということが当たり前だった。しかしそんな固定観念は薄れ、自宅事務所でもかなりの作業はこなせそうだ。
しかし、事業を始めると、人と打ち合わせをする機会が増える。顧客訪問の合間に作業をしたり、書類を作成したりする必要も出てくる。その場合はやはり交通至便なところに「場所」が必要だ。また、そのためにはノートパソコンを持ち歩く必要も生じる。
外商で起業した方に聞くと、都心の移動時間の隙間を無駄にしたくないし、急な書類作成なども出てくる。ただし、パソコンをいつも持って歩くのはやはりたいへんだという。「そこで、自分はレンタルオフィスのロッカーを活用しています」(外商起業者)
都心のレンタルオフィスの契約ロッカーにパソコンを入れておき、外商の行き帰りに立ち寄るそうだ。書類作成の時にはレンタルオフィスの複合機を使えばいい。帰りにはまたパソコンをロッカーにしまい施錠すれば、手ぶらで電車に乗れる。
もちろんレンタルオフィスやロッカー契約には月々の費用がかかる。しかし、自分自身で都心のビルに事務所を借りる場合と比べたらどうだろうか。家賃の比較だけではなく、仕事に必要な情報ツールや設備をイチからそろえる費用と必要に応じて借りる費用とを比較して、検討してみたいところだ。(取材・構成 藤木俊明)