若い世代を中心に「シェアエコ」(シェアリングエコノミー)の動きが広がっている。ネットを仲介として、使わないものを貸し借りする経済活動のことだ。かみ砕いていうと、遊休資産を使いたい人に貸し出して収入を得ていく手段といえる。
遊休資産といわれてもピンと来ないかもしれないが、たとえば2台分の駐車場のうち、子供が独立して1台分が空いているという場合がそうだろう。これを不動産会社経由で貸し出すのは面倒だし、解約したいときも手間になる。そこで、空いた駐車場を収入に変えるシェアエコがあり、その代表格がakippa(アキッパ)だ。
自宅の空いた駐車場を1日最低4時間から時間単位で貸し出すことができる。また、自分が使いたいときには日時単位で他人への貸し出しをストップもできる。
駐車場を使いたい人(会員)はスマートフォンで空き駐車場を探し、利用料金をakippa経由で駐車場オーナーに支払う。オーナーと利用者のお金のやり取りはなく、顔を合わせる必要もない。駐車場オーナーとして登録すると、利用に応じて毎月駐車料金が振り込まれる。
スタジアムや人気遊戯施設などの近くであれば、稼働率も高まり、収入も期待できる。しかし、住宅地でも商用、通勤などで一定の利用があるようだ。
東京近郊の住宅地に住むakippaのオーナーに聞くと、月々平均1万7000円程度が振り込まれてくるという。「何もしないでいい。振り込まれるのを待つだけ。ほったらかしです」と笑った。
副業として望ましいのは「ほったらかし」で一定の収入が定期的に入ってくることだろう。大きな金額は望めないが、投資より安全といえる。akippaの他にも、空き部屋や車などさまざまな遊休資産を小さな収入に変えるシェアエコの仲介サービスがあり、注目したい。(取材・構成 藤木俊明)