現在、「プロボノ」(社会経験を生かしたボランティア従事者)という言葉が注目されている。しかしそれが何か定年後につながることなのか、興味はあるがよくわからないというサロン参加者の声に応え、第7回夕刊フジ定年起業応援サロンでは、会社勤めをしながら、精力的にプロボノ活動を行っている山崎和夫さん(仮名)をゲストにお招きし、お話を伺った。
山崎さんは現在50代半ば、会社の中心的存在であるが、そろそろ定年後の過ごし方も視野に入ってくる世代といえよう。
「プロボノが求められる背景として、現在の社会課題は多岐にわたっており、行政の力だけですべて解決するのは困難という実情があります」(山崎さん)。課題解決の一助を担うべく、各地でNPO団体がさまざま活動を展開している。しかし、NPOには人的資産や業務を遂行するスキルが不足していることが多く、活動に支障をきたす場合もある。
「NPOを支援するための組織(サービスグラント)というものがあり、自分はそこに所属して活動しています」(山崎さん)
プロボノは、自らの業務経験や知見を生かして、NPOの支援を行う。その支援にもいろいろなものがあり、ホームページやパンフレットの作成や、NPO自体の課題整理、業務効率化のアドバイスを行うこともあるという。サービスグラントは個々のNPOからの要請を受けて支援を実施するかどうか判断する。山崎さんのようなプロボノがNPOに派遣され、支援の可・不可の判断を行う。支援内容によって最適なメンバーを集めプロジェクトチームをつくる。 「会社の仕事とあまり変わりませんね」と山崎さんは笑う。プロボノには報酬はなく交通費など実費だけだ。
「しかし、プロボノ活動には大きな意義があります」
次回はそこを伺う。(取材・構成 藤木俊明)