第6回夕刊フジ定年起業応援サロンでは、多くの中小企業・小規模事業者の経営サポートに関わってきた山形宗紀(やまがた・そうき)税理士(60)をゲストに迎え、「法人設立」をテーマに話を聞いた。
サロンに参加した読者は自らの手で法人を設立した経験がないこともあり、まず「設立の手順」「設立の費用」について説明してもらうことにした。
株式会社のような法人を設立するには、まず商号(会社名)、事業目的、資本の総額、株主、本店所在地、会社の営業年度、資本金の払込銀行を決めること。そして、会社実印を作成し、定款を作成して公証人の認証を受けるという手順を踏む。それから資本金を銀行に払い込み、法務局で登記を申請する。
「おおむね1週間から10日で登記は完了します」(山形税理士)
参加した読者にとっては、あまり縁のない役所や手続きなどの名前が出てくるが、なによりも会社名を自ら決め、そのハンコを作成しないと起業は始まらない。
次は費用の話。公証人役場に定款3通と株主全員の印鑑証明書(発行後3カ月以内)の提出が必要という。定款収入印紙代4万円、認証料約5万円が必要だが、電子定款を利用すれば定款収入印紙代は不要。ほかに謄本手数料が1通250円かかる。さらに登録免許税として資本総額×0・7%(15万円以下の時は15万円)の法務局への払い込みが必要だ。
おおまかな費用として、法人設立には「印紙代20万-25万円弱プラス司法書士・行政書士に支払う手数料」と前述の「ハンコ代などの雑費」をみておく必要がありそうだ。「いろいろかかるものですねえ」と参加読者からは苦笑いがこぼれた。その後、山形さんの話は法人設立のメリット・デメリットへと展開していった。(取材・構成 藤木俊明)