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夕刊フジ・定年起業への挑戦

【定年起業への挑戦 実践編】定年後に地域に溶け込むきっかけにも…

 定年起業挑戦中の海老名要一さん(65)は、会社員時代からプロボノ(会社員としてのスキルを生かした社会貢献ボランティア活動)に積極的に取り組み、地元のNPO法人の活動に参加してきた。

 その経験を生かし、広報活動に苦労する小規模NPO法人を支援したいと「NPO向けICTを活用した広報セミナーの開催」の事業企画を発案して、「かながわシニア起業家ビジネスグランプリ2018」の優秀賞を受賞した。

 その中で、ちょっとわかりにくいのがプロボノという活動の意義だ。社会貢献活動は大切なことだが、それに参加することが定年後どれだけのメリットを生むのか、と世俗的な疑問をいだいてしまう。

 「自分には大きなメリットがありました。会社とは違う人的ネットワークができるので、そこから仕事が生まれることもあるのです」(海老名さん)

 海老名さんは、プロボノでの働きぶり(パソコンのスキルなど)を見た別の参加者から「自社の仕事を手伝ってほしい」と声をかけられたことで定年後しばらくその会社の手伝いをしたという。

 「それに何といっても地域とのつながりができるのが大きいですね。今回の起業アイデアの助けにもなりました」

 海老名さんは仲のいい地元のNPO法人から事業計画のアドバイスも受けたという。プロボノは定年後、地域に溶け込むきっかけにもなると海老名さんは言う。

 「『副業』というと会社に申請しにくいかもしれませんが、社会貢献のためにプロボノに参加したいというのは言いやすいのではないでしょうか」

 いまや公務員も、社会貢献型の副業・兼業が可能になるかもしれない時代だ。プロボノという選択肢も頭に置いておきたい。(取材・構成 藤木俊明)

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