起業時に避けては通れない課題が「資金調達」だ。夕刊フジ定年起業応援サロンの参加者同士でもよく話題になる。そんななか、新しい資金調達の手法が注目されている。それがクラウドファンディングだ。
世の中に出したい製品やサービスのアイデアやプロジェクトがある場合、その起案者がクラウドファンディング事業者に申し込み、インターネットを通じて広く一般消費者に支援を呼びかける。これに共感した消費者が小口の資金を提供する。資金が集まり、アイデアやプロジェクトが製品・サービス化できたら、起案者は見返りとして製品や特別なサービスを支援者に提供する。これがクラウドファンディングの仕組み。広く薄く資金を調達できる手段といえる。
資金調達の手法としてだけでなく、調達過程で製品やサービスをPRできることやテストマーケティングに活用できることも注目されている。より多くの賛同者、支援者を集めることで事業のスタートも切りやすくなる。つまり、販売促進という課題にも役立つ。
ただ、「クラウドファンディングに興味はあるけれど仕組みがよくわからないし不安だ」という起業志望者も多いだろう。そこで今、自治体や金融機関がクラウドファンディング事業者と連携し、起案者を支援する例が増えている。
たとえば東京都の「クラウドファンディングを活用した資金調達支援」(http://crowdfunding-tokyo.com/)。これは都と連携する事業者を通じてクラウドファンディングをスタートして成立させた起案者には、起案者から事業者への手数料の一部が補助される制度だ。同ホームページに「入門者向け相談窓口」が記載されている。また、クラウドファンディング無料セミナーも案内されているので、直接質問ができる場に行くのも一つの手だろう。(取材・構成 藤木俊明)