夕刊フジ定年起業応援サロンでよく出る話題が「新現役交流会」だ。これは関東経済産業局と金融機関がタッグを組み、専門分野の経験を積み重ねたシニア世代(新現役)と課題を抱えた中小企業とをマッチングする交流会だ。同局管内では2018年度に26回開催される予定で、全国にも広がりつつある。
参加を申し込むと、事前に参加中小企業(匿名)と、各社が抱える課題(人材育成、生産管理、販売ルート開発など)、支援してほしい内容が一覧にまとめられたリストが参加者に送られてくる。
「これは自分が支援できそうだ」と思う企業があれば、事務局(金融機関の担当部署)に申請する。ニーズが合えば新現役交流会への参加が認められ、当日、会場で企業と面談する手はずがとられる。これが第一段階だ。
交流会で双方のニーズが合えば別の日時に最終面談を行う。これが第二段階。面談がまとまれば実際の支援活動に入る。中小企業支援活動については、時給5000円(税別)と企業訪問のための交通費が新現役に支払われる。支援回数は原則3回で、これは公費で補助されるが、企業がさらに支援が必要と判断すれば、個別に顧問契約などを結ぶ場合もある。
新現役交流会に参加したい場合は関東経済産業局ホームページの「マネジメントメンター制度」に登録する。50歳以上で、1つの専門分野に通算して10年以上の経験を持つなどの条件があり、事務手続きを経て登録されると、新現役交流会の通知がメールで届くようになる。
ただ、実際に参加した人によると、事務手続きと提出書類の作成が少々煩雑。また、中小企業の課題を聞き出す傾聴力、自分自身のプレゼン力も必要だという。とはいえ、これも定年後働き続けるための大事なトレーニングだ。特に大企業の退職者は「個の自分」を試すよい機会だという。(取材・構成 藤木俊明)