夕刊フジ定年起業応援サロン第3回は、銀座セカンドライフ代表の片桐実央さんをゲストに迎えた。片桐さんにシニア起業のエッセンスを話してもらい、その後、参加者が質問するという流れ。IT企業を早期退職した人など、新たに参加者も増えた。
まず、片桐さんが自身の体験を語った。
「10年ほど前に今の事業を始めましたが、その頃は『シニア起業を支援する』といっても誰も関心をもってくれませんでしたね。それでも、『やりたいんです』と言い続けてきました」
起業というと、規模の大きな事業を考える人が多いが、片桐さんは「ゆる起業」を勧めている。そのポイントは「楽しいと思える」「やりがい、生きがいを感じる」「得意分野」「投資はできるだけ抑え、利益は追求しない」「健康が一番」の5つだ。「ゆるりとした気持ちで、身の丈に合わせて起業をしてもらいたいということです」
若い世代のベンチャー起業には革新的なサービスを提供するものが多いが、「50代、60代の人は経験を生かしてやりがいのある仕事を続けるのがいいと思います。また、投資はできるだけ抑えましょう。大きな投資をすると、リターンを得るまでに時間がかかってしまいます。最初の投資額は抑えて、早く黒字化できるようにしましょう」という。
銀座セカンドライフには70代、80代の会員もいるという。
「弊社の会員は年齢が上の方ほど楽しそうに仕事をしています。定年とは関係なく仕事を続けていきたい方が多いのだと思います」(片桐さん)(取材・構成 藤木俊明)