夕刊フジ定年起業応援サロン主催の第2回読者座談会では、合同会社オフィスTARUの上水樽(うえみずたる)文明さん(58)にシニア起業体験を語ってもらった。「家では仕事ができませんね」という上水樽さんの言葉に、参加者で前回講演者の海老名要一さん(64)は大きくうなずいた。「長年、会社勤めをしていると、家では働こうという気持ちに切り替えづらいですよね」。
さらに、上水樽さんは「(定年起業では)誰も命令してくれません。自分を律してスケジュール管理することが大切です」と話し、自分のスケジュール表を見せてくれた。
それには参加者全員が驚くほどきめ細かく予定が書き込まれていた。上水樽さんの仕事は外商が中心だが、イベントも立案・実施しているので時間管理はとくに大切なのだ。「リズム感のあるスケジュール表ですね。自分を律するのはなかなかつらいことですが、こうして段取りが組めれば楽しいでしょう」と海老名さん。
参加者から、「独立しても会社員時代と変わらない商材を扱えたことがよかったのでしょうか?」との質問も出た。上水樽さんは「そうですね。やはり辞めてからもいい関係を続けてくれる会社に感謝したいです」と回答。会社員時代に築いた商流をどう生かすか、に定年起業のヒントがあるのかもしれない。
「フットワークが必要な仕事では、多拠点型レンタルオフィスが便利なのでしょうか?」という質問については「会社員時代と違い、自分のスケジュールで、都合のいい拠点で仕事ができるので、営業主体の人には向いていますね」とのこと。会社に戻る必要がないのが定年起業だ。(取材・構成 藤木俊明)