夕刊フジ定年起業応援サロン主催の第3回読者座談会を先日開催。銀座セカンドライフの片桐実央代表からシニア起業のポイントを聞いた。
片桐さんはシニア起業の相談を多く受けてきたが、若い世代が「これがやりたい」と決意して起業するのに対し、50代、60代の起業は、いろいろな選択肢の1つだという。再雇用や再就職と起業とをてんびんにかけて考える人が多いそうだ。
そのシニア起業には「大きく分けて2つの入り口がある」(片桐さん)。1つめは「できることから仕事を見つけること」。前職や得意分野、趣味で培った知識やスキルを生かす。あるいは、これまで築いてきたネットワークを対象にビジネスを考えるということだ。「けれど、『自分には何のスキルも強みもない』と言う人も多いのです。そういう人には2つめの入り口があります」
それは「やりたいことから仕事を見つけること」だ。知識やこだわりのあるものを商品として売ったり、サービスとして提供したりする。また、場所や情報を提供して人と人をつなぐ仕事やフランチャイズ、事業譲渡など既存の仕組みを利用する方法も選択肢に入るという。
講話後、かながわビジネスプランコンテストで優秀賞を獲得した海老名要一さん(65)が自らの起業スクール受講の感想を話した。
「やってみたいことがあったのでスクールに通い、頭の整理をして、ローリスクな事業計画書を立てることができました。起業活動をしているというと周りからいろいろな相談を受けるようになりましたね」。海老名さんにとって起業準備は楽しい体験だったようだ。(取材・構成 藤木俊明)