「かながわシニア起業家ビジネスグランプリ2018」に入賞し、起業準備を進めている本紙読者の海老名要一さん(64)に、応募から受賞までの道のりを聞く。前回は、ビジネスプランコンテストへの応募をきっかけに神奈川県指定の起業スクールに通ったという話だったが、その経験は役立ったのだろうか?
「すごく役に立ちました。120%、役立ったと思います」(海老名さん)
海老名さんにとって、ポイントは4つあったそうだ。
1つめのポイントは「苦手分野の克服」です。事業計画書のたたき台を作った時点で起業スクールに参加したのですが、経営の実務経験が少ないというのが自分の欠点です。収支計画が絵空事になってしまうのではないかと悩んでいましたが、起業スクールの集中受講を経て、自分の考えを数字に織り込むことができるようになりました」
2つめのポイントは「人のふり見てわがふり直せ」だという。
「スクールの休憩時間に、みなさんが意見交換をしていました。会話や資料を見せ合う様子が自然に耳に入るのです。自分はあまりできていないな、と落胆することもありましたが、それがけっこう参考になり、事業計画書のブラッシュアップに生かせました」
3つめのポイントは、起業スクールならではの「実務的な事例紹介」。
「起業スクールのテキストは、とてもよくできていました。それを読むだけでも効果的なのでしょうが、リアルな授業で講師が『こんな事例がある』とか『自分もこうだった』という具体的なことを教えてくれたのは、とても助かりましたね」
4つめのポイントは、「事業計画書の添削」だという。
「今回、未完成な事業計画書でも、希望すると後日添削して返却してくれる機会(ブラッシュアップセミナー)が設けられていました。締め切り間際には、事業計画書の添削部分に集中して作業を行うことができました。おかげで心の負担が軽減し、終盤の書類作成の効率も上がりました」
海老名さんのように前向きな態度で臨めば、起業スクールで学べることは数多いだろう。 (取材・構成 藤木俊明)