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夕刊フジ・定年起業への挑戦

【定年起業への挑戦 実践編】コンテストを起業の「きっかけ」に

 定年後のゆるやかな起業に興味を持つシニア世代が増えている。そんな人たちの悩みの一つは「きっかけづくり」ではないだろうか? いつか具体化させようと思っても、いいきっかけがつかめないうちに時が流れていく。今回、「かながわシニア起業家ビジネスグランプリ2018」に入賞し、起業準備を進めている夕刊フジ読者、海老名要一さん(64)の「きっかけ」はどのようなものだったのだろうか? 東京・東銀座の夕刊フジ定年起業応援サロンで話を聞いた。

 「本音を言いますと、応募する時はまだ起業の意思はしっかりと固まってはいませんでした。やりたかったことを何となくまとめて、ビジネスプランコンテストに応募したら面白いかなあ、という感じでしたね」(海老名さん)

 海老名さんにとっては、ビジネスプランコンテスト自体がきっかけだったわけだ。

 「応募を決めたのはいいのですが、『ええっ? 事業計画書を作らなくちゃいけないの』という感じでしたね。お恥ずかしい限りです。会社員時代には開発企画書をよく作り、他部門と協議していました。事業計画書では、お金の収支予測の比重が大きくなります。今回、自分個人の事業とはいえ、審査機関からは収支予測の精度をチェックされるでしょう。変なものはできないなとプレッシャーがかかってしまいましたね」

 海老名さんは「形からスタートしよう」と書棚から事業計画書、企画書などに関する書籍を引っぱり出し、再勉強したという。ご家族には伝えたのだろうか。

 「妻に伝えたら『頑張るように』だけでしたね。ただ、今回のビジネスプランを、起業後に関わってきそうなNPO団体の人には話しました。いろいろアイデアをもらえてよかったです」

 その結果、ビジネスプランコンテストに入賞した。

 「SNSで友達にコンテスト入賞を公開したところ、通常は20ぐらい付く『いいね』が110以上に跳ね上がり、びっくりしました。自分にとっての最高記録ですね。基本的には『よくやった』というコメントが多かったのですが、『店舗はどこですか?』のような本人の行動を先取りするような問い合わせも多くて困惑しましたね」

 起業のきっかけをコンテストに求めるのも一つの手かもしれない。(取材・構成 藤木俊明)

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