定年起業に向け、「かながわシニア起業家グランプリ2018」に挑戦している読者、海老名要一さん(64)に、東京・東銀座の銀座アントレサロン5号館で会った。海老名さんはプレゼンテーション用のパワーポイント資料作りに没頭していた。
「先日、書類による一次審査を通過したという知らせを受け取りました。そのため、二次審査用の事業計画書を作成してメールで送ったところです。二次審査ではプレゼンを行わなくてはならず、その投影用資料をパワーポイントで作成していたのです」(海老名さん)
海老名さんはパソコンが得意で、パワーポイントなどのアプリも使いこなしていた。その経験が役立っているようだ。
「しかし、人前でプレゼンテーションするなんて、いつ以来でしょうか。正直、心配で仕方ないですよ」
海老名さんら一次審査通過者は、年明けすぐに二次審査のプレゼンに臨むことになる。投影する資料ファイルはその前に送らなければならないので、作成に忙殺されているそうだ。
プレゼンのポイントについて尋ねると、「とにかく短い時間で説明しなくてはならないので、たくさん盛り込まず、大事な点を2つか3つに絞って話したい」と語ってくれた。とくに海老名さんは、地域の問題解決などにプロボノ(職業を生かしたボランティア)として携わってきた経験があるので、それを組み入れたいという。また、審査員の注目を引くために、プレゼンのスライドはビジュアルを生かしたものにするそうだ
「この年末年始は準備で忙殺されそうですね」という海老名さんだが、起業すれば、取引先や金融機関などに自分の事業を説明する機会が増える。「そのためのいいリハーサルかもしれません」と前向き。一次審査に通ったことが自信につながっているようだ。 (取材・構成 藤木俊明)