「夕刊フジ定年起業応援サロン」は東京・東銀座の銀座アントレサロン5号館に併設されているが、アントレサロン会員は自分の都合に合わせて、5号館を含む首都圏12カ所のサロンを自由に利用できる。定年起業に向け、「かながわシニア起業家グランプリ2018」に挑戦する読者、海老名要一さん(64)は5号館で契約したが、多摩地区に自宅があり、新宿アントレサロンに出やすいので、同所で作業することが多いと言う。パソコンからの書類印刷は、どのサロンでも自由にできる。
先日、海老名さんは新宿アントレサロンで行われている「昼下がり異業種交流会」に出席した。交流会を主催・運営している銀座セカンドライフの片桐実央代表によると、交流会参加者の8割が経営者だが、初参加の起業予定者も気軽に交流できるように配慮しているという。
交流会の感想を海老名さんは次のように言う。
「昼の交流会は、会場も参加人数もコンパクトな分、自己紹介がゆっくりできます。意見交換に時間をかけられるので、考えを深耕化できますね。半面、うまく自分の事業を整理しておかないと、逆に印象が薄くなるようです。一刻も早くビジネスプランを公開したいですね。交流会では、以前見かけた方もおられて、起業にかける熱心さが伝わってきました」
「かながわシニア起業家ビジネスグランプリ2018」の応募書類も、新宿のアントレサロンで執筆した。
「新宿のサロンはパーテーションが高く、個室感があって集中できます。書類作成は自宅よりこういう場所の方がはかどりますね」
海老名さんは事業計画を裏付けるため、知人のNPO関連スタッフにもヒアリングしたという。どうやら海老名さんが考えているのは社会課題の解決に資する起業プランのようだ。
「先日のブラッシュアップセミナーで提出した事業計画書も添削されて返ってきました。指摘されたことは理解できるのですが、それを文書で表現するのはなかなか大変ですよね」
そうしてまとめた応募書類は、締め切り前に速達で無事投函したという。ひと仕事終えた海老名さん。定年起業はワンステップ進んだようだ。(取材・構成 藤木俊明)