定年起業実践のため、「かながわシニア起業家グランプリ2018」に挑戦している海老名要一さん(64)は、提出する事業計画書を作成中だが、どうやら苦労しているようだ。やりたい事業の輪郭はおぼろげに見えているのだが、それを紙に落とすのはなかなか難しい。企業勤務時代に会社の事業計画書を作成した経験のある人でも、いざ自分のこととなると、ゼロから組み立てなくてはいけないからだ。
そこで海老名さんは先月11日、事業計画書の「ブラッシュアップセミナー」参加のため、神奈川県藤沢市の藤沢商工会議所を訪れた。講師は銀座セカンドライフの片桐実央代表だ。
このセミナーでは事業計画書の書き方のポイントが説明され、その後、実際に事業計画書作成のワークショップが実施された。そこで作成した事業計画書は、銀座セカンドライフがいったん預かり、修正ポイントやアドバイスの赤字を入れ、受講者に戻す仕組みだ。
「ありがたかったのは、さまざまな創業計画のひな型を説明してもらえたことです。ひな型の中に自分の起業計画に近いものがあったので、短い時間で事業計画書を見直すことができました。さらに、片桐さんご自身のビジネスプランコンテスト時のビデオまで見せてもらえて参考になりました」(海老名さん)
「一次審査では『新規性・革新性』『成長性・将来性・収益性』『社会的・地域的な課題解決』『実現・継続可能性』などの審査項目それぞれに配点がされていて、提出した事業計画書が項目の要求をどれだけ満たしているかで点数がつけられます。その積算で評価されますので、まず審査項目の要求に応えていないと評価されません」(片桐代表)
応募締め切り日が近づいていることもあり、セミナーの休憩時間には周囲で「頑張ってる?」などの会話も聞こえてきた。海老名さんの緊張感はいや応なしに高まる。渾身の事業計画書はどう評価されるだろうか。(取材・構成 藤木俊明)