大きな会社に所属している時には、名刺を出すと受け取った相手はすぐあなたの立場を理解してくれるでしょう。しかし、起業して屋号や法人名をつけた自分の名刺を配っても、相手にはあなたのやっていることがほとんど伝わりません。
その時初めて、会社の後ろ盾のありがたさを感じる人も多いようです。定年起業した後は、名刺交換した相手にどうやって自分の事業を理解してもらえるか、相手とどうやって関係性を構築していくのかを考えなくてはいけません。
1つの方法としては、名刺交換後すぐに、相手にお礼と自分の事業の簡単な紹介を書いたメールを送ることです。名刺交換して間が空くと、相手から忘れられてしまうことが多いものです。すぐに相手にメールを送って自分を印象づけましょう。
一度メールのやり取りができたら、相手もまたメールで返信しやすくなるという利点もあります。ただし、会った後すぐに、しつこい売り込みなどをすると印象が悪くなるので気をつけましょう。
メールを作成する時には、(1)相手が読みやすいように分量を調整する(2)色文字や顔文字は使わない(3)返信しやすいように末尾に自分の署名や連絡先を入れる-など、基本的なビジネスマナーを意識する必要があります。ひな型となる文章をワードなどであらかじめ作っておきましょう。
交流会などでたくさん名刺交換した場合も、ひとりずつ文頭に相手の名前を入れ、会ったときに話した共通の話題などを書き入れて、印象に残るメールにしたいものです。もちろん、いただいた名刺は個人情報として慎重に管理しておきましょう。(取材・構成 藤木俊明)