定年前に自分の力で稼ぐトレーニングを行うために、副業を行うのも1つの手段だと述べてきました。
これまで、副業という言葉には何か後ろめたい響きがありました。会社が禁止していたり、たとえ就業規則上可能であっても、やりづらい雰囲気があったと思います。
ところがここにきて、行政も「副業・兼業」の後押しを始めたようです。国は今、将来に向けて創業や新規事業の創出を盛んにしていきたいと考えています。経済産業省も「兼業・副業を通じた創業・新事業創出に関する研究会」をスタートさせ、兼業・副業の実態や優良事例を調査していたようです。
そして2017年5月31日、中小企業庁から「兼業・副業を通じた創業・新事業創出事例集」の取りまとめが発表されました(http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sogyo/2017/170531hukugyo.htm)。ここでは、実際に企業に所属しながら副業や兼業を行い、新しい事業に育てた個人の事例や、副業・兼業を認めている企業の取り組みが紹介されています。
たとえば、大手製薬会社に勤務しながら、本業で培った経験を生かし、副業として地ビールの卸売りを行って地元への貢献活動をしている人がいます。あるいは、大手IT会社に勤務しつつ、実家の家業の支援をしている人は会社公認です。
中小企業庁の資料には、良いことだけでなく、やってみてわかったデメリットも記載されており参考になります。皆さんも「世間は副業・兼業に前向きだ」と社内を啓蒙し、副業しやすい環境をつくってみてはいかがでしょうか。 (取材・構成 藤木俊明)