起業支援に関しては、いろいろな情報があふれています。定年後、あるいはその前に起業を検討する場合、どこに相談すればいいか迷う人もいるでしょう。
ただ、多くの人はやはり公的機関への相談を考えることでしょう。公的機関なら無料もしくは比較的安価に相談やサポートが受けられます。起業相談ができる代表的な公的機関を3つ紹介しましょう。
まずは「日本政策金融公庫」。政府が100%出資する金融機関で全国に支店があります。「女性、若者/シニア起業家支援資金」という融資制度があり、女性と30歳未満の若者、55歳以上のシニアを対象に、新たに事業を始める人や事業開始後おおむね7年以内の人に運転資金や設備資金を貸し出すものです。
次に「産業振興センター」。各地域の産業活性化を目的に、公益財団法人などが運営している施設です。起業セミナーのほか、地元の中小企業を対象に海外進出に向けた講習会など、さまざまなサポートを行っています。
意外と知られていないのが「自治体」です。現在、多くの都道府県や市区町村が、雇用創出などを目的に独自の起業支援を行っています。産業競争力強化法に基づく「創業支援事業計画」の認定を受けた自治体(http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/chiiki/nintei.html)は、2016年12月現在、1245あります。
認定自治体でセミナーを受講したり、相談窓口の利用など継続的なサポートを受けて創業すると、株式会社を設立する際の登記免許税軽減などの優遇措置が受けられます。まずは、ご自身の暮らす自治体窓口に問い合わせてみてはいかがでしょうか。 (取材・構成 藤木俊明)