「法人名はどのように決めたら良いですか?」という質問をよく受けます。今回は、株式会社や合同会社、一般社団・一般財団法人やNPO法人など法人を設立するときに決める「法人名」についてお話しします。
(1)「株式会社」「一般社団法人」などを名前の前後に付けます。後に付ける「○○株式会社」か、前に付ける「株式会社○○」のどちらかを考えましょう。以前は後に付ける人が多かった気がしますが、最近は前に付ける人が多いです。(2)使える文字には、漢字、ひらがな、カタカナはもちろん、ローマ字や数字も大丈夫です。その他、使用できる記号として「&」「-」「・」などがあります。(3)英文名も決めることができます。英文名は登記の必要はありませんが、定めることができます。設立時に定款に記載しましょう。(4)法人名が長いと読みづらく後で社名変更するケースもあります。できるだけ分かりやすい法人名が顧客からも親しまれるでしょう。また、法人名を経営理念に基づいた当て字にして、印象的になるよう工夫している人もいます。(5)インターネットで検索して同様の法人名がないか確認しましょう。法律上は、同じ社名が同じ住所に存在しないかぎり登記できます。しかし、似た社名があると、インターネットで検索した際に間違われたり、誤解されたりすることがあります。
(6)法人名を考えたら、独自ドメインの取得を検討しましょう。独自ドメインは、ホームページやメールアドレスを作成する際、「http://○○.co.jp」の丸の部分に会社名を入れて取得します。法人設立をしないと「co.jp」のドメインは取得できないので、「co.jp」のドメインを保有することは、法人である証明にもなり、信頼性の向上につながります。(7)法人名を決めたら商標登録することも検討しましょう。例えば、Aさんが「銀座セカンドライフ株式会社」と法人登記した後、Bさんが「銀座セカンドライフ」という商標を同じ分野で登録したとします。その場合、Aさんが「株式会社」を付けずに「銀座セカンドライフセミナー」など、商品・サービスの名称として表記した場合は、他者の商標権を侵害する恐れがあります。(8)企業イメージを表現したロゴも考えましょう。名刺など法人名とともに記載します。企業のイメージを印象づけられ、会社の信頼性確保やイメージアップにもつながります。
最後に。法人名は登記後に変更しようとすると、変更手数料として3万円を法務局に納めなければなりません。また法人名変更をすると、銀行や税務署の届け出などに労力がかかり、さらに封筒や名刺、ホームページなど、広告物の変更にも費用がかかります。変更は思ったよりも大変です。後悔のないよう決めたいですね。