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産経新聞・片桐実央の起業相談

【ゆる起業のススメ】(24)HPは補助金を活用して作成しよう

 「販路を広げるためにホームページ(HP)を作りたいけど、費用が高いので、その負担を減らすための何か良い案はありませんか」という質問をしばしば受けます。

 皆さんはHP作成の費用を補助してもらえる制度があることをご存じですか。行政が中小企業の販路拡大支援のために用意している制度で、要件を満たした場合、補助金として返済不要の資金が支給されます。販路拡大のための補助制度ではHPのほか、パンフレットや会社案内の作成、雑誌などに広告掲載する費用など販路拡大のための費用が補助されます。

 経済産業省の制度のほか、地域によりますが、各都道府県が実施している制度もあります。さらに、HPに絞って補助制度を設けているのは東京都中央区、江東区、足立区、豊島区、台東区、葛飾区、練馬区などの例があります。制度の有無は会社の本店所在地や開業している地域の役所で確認しましょう。確認方法は直接、役所に電話するという方法もありますが、区役所のHPに中小企業支援のページが大体ありますので、それをごらんになってもいいと思います。

 今回は、東京23区の区役所が実施しているHPに絞った補助制度をご紹介します。区によっても違いますが、申込開始日はあらかじめ決まっており、先着30件、50件などを受け付けます。補助額は経費総額の2分の1。ただ、補助限度額は数万円程度のものが多いです。

 補助金の多くはHPの作成を外注した場合の費用に対する補助です。外注せず、自社内で作成した場合も、それにかかった費用を補助してもらえるものもあります。既にHPを持っていても、それを変更する場合の費用が対象になるものもあります。

 最近の傾向として、外国語のHPの開設も対象となる場合が多いようです。2020年の東京オリンピック・パラリンピックなどの開催に向け、今後ますます外国人観光客が増えることを見越した措置のようです。

 申請上の注意点は、HP作成・変更をする前に申請しなければならないことです。申請には指定の申請書に記入し、先着順に入るよう必要書類を提出しましょう。

 助成金・補助金制度は、融資と違い返済不要の資金調達方法です。一般的に、政府が実施している補助金の額は大きいのですが、その代わり、申請書類も多く、倍率も高く、難易度が高いです。

 一方、市区町村はその逆で、申請書類が少なく、倍率も低く、難易度も低いけれど、金額は少ないです。難易度の高い補助金を申請する場合は、労力と時間をかける覚悟が必要です。

 今回の補助額は金額が比較的少ない分、提出書類も少なく審査のハードルもそれほど高くありません。「補助金申請は初めて」という方も挑戦しやすいと思います。

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